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【産経抄】9月20日

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 米オレゴン州に住む主婦は、ハロウィーンのプレゼントとして買った中国製の飾り物の中から、手紙を見つける。差出人は、遼寧省・馬三家の労働教養所に収容されている孫毅さんだった。

 ▼19日未明にNHKBSで放映された「馬三家からの手紙」は、衝撃的な内容だった。カナダ人監督によるドキュメンタリーである。孫さんは、中国政府が弾圧する気功集団「法輪功」のメンバーだった。労働教養所では、毎日15時間以上も輸出用の商品作りを強いられていた。

 ▼拷問も頻繁に行われる。主婦が労働教養所の過酷な実態を暴露した手紙をメディアに公開すると、全米を揺るがすニュースとなる。出所後、インドネシアに逃れた孫さんは、主婦と感動の対面を果たす。それからまもなく、謎の死を遂げた。

 ▼トランプ米政権は、中国に対する制裁措置の第3弾を24日にも発動する。2千億ドル(約22兆円)相当の輸入品に追加関税を課すというものだ。これに対する報復措置として中国政府は、600億ドル相当への追加関税を発表した。中国の輸出品の一部は、労働教養所や刑務所での「奴隷労働」によって生み出されている。トランプ大統領が中国を目の敵にするのは、残念ながらそれが理由ではない。

 ▼中国新疆ウイグル自治区では、罪のない多数のイスラム教徒が、再教育施設「教育・転化センター」に収容されている。無数の監視カメラによる通行人のチェックも怠りはない。小紙記者は先日、不審な車に追い回されながらも、「中国化」が進むウイグルの現状を取材していた。

 ▼世界の関心は、エスカレートするばかりの米中貿易戦争ばかりに向けられている。その間にも、治安を盾にした中国政府による深刻な人権侵害が続いている。

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