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【正論】ロシアゲートは実体なき疑惑だ 福井県立大学教授・島田洋一

福井県立大学教授・島田洋一氏
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 モリカケ問題とアメリカのロシアゲートは「争点隠し」という点でよく似ている。加計学園による獣医学部新設は岩盤規制の打破が真の争点だが、安倍晋三首相の「えこひいき疑惑」に話がそらされ政争化された。

 ≪民主党が隠す「不都合な真実」

 ロシアゲートはどうか。米国内でほぼ事実と認定されているのは次の2点である。(1)2016年米大統領選に際し、ロシア情報機関によって民主党陣営のメールがハッキングされ、ネット上で公開された(2)投票機器の操作などはなかった-。(1)にトランプ陣営が関与したのでは、というのが反政権側の追及する「疑惑」だが、今に至るも確たる証拠は出ていない。

 ところで、なぜメールの流出がヒラリー陣営に打撃となったのか。ここにリベラル派が目を背ける「不都合な真実」があり、真の争点がある。最も問題となった2つのメールを見てみよう。

 1つは、民主党エリートを代表するポデスタ選対本部長(クリントン政権で大統領首席補佐官)がヒラリー氏に宛てた、副大統領候補選定に関するメールである。

 ポデスタ氏はまず、候補者を「食品群」(food groups)に分けたと軽口を叩(たた)き、女性、黒人、白人、ヒスパニック、巨額献金者などに分類、最後に「特殊食品」として予備選のライバルだったサンダース議員を挙げた。

 ここに見られるのは、アイデンティティー・ポリティクス(差別強調政治。警察対黒人、富裕層対貧困層、男対女、保守派対LGBT=性的少数者=などの対立図式を強調し、被差別弱者の側に立つと主張する政治)を推進してきた中心人物における、冷笑的で功利主義的な態度である。素朴な有権者の間に嫌悪感が広まったのも無理はない。

 もう1つは、民主党全国委員会(予備選の公正な実施が職務)の幹部間で交わされた「サンダース(ユダヤ教徒)は無神論者」との噂を広めて、宗教色の強い南部での支持率を落とすべきだ、などとした謀議メールである。

 政治と宗教の峻別(しゅんべつ)、無神論者への配慮(公立学校で「神」に言及しないなど)を高らかに掲げてきた民主党エリートにおける、これまた冷笑的かつ露骨な背信行為であった。サンダース氏支持者は当然激怒し、ヒラリー氏に近い全国委員長は辞任に追い込まれた。

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