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【主張】風疹の急増 妊婦守るワクチン徹底を

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 風疹患者が増えている。今年になってからの累積患者数は、今月5日現在で東京、千葉、神奈川、埼玉などで362人となった。昨年1年間の4倍に迫り、平成25年の流行以降、最多だ。

 この増加傾向が続けば2年後の東京五輪・パラリンピックにも影響しかねない。

 経済力があり、ワクチンを徹底できる国が感染元になることに、海外の目は厳しい。日本は「はしかの輸出国」などと称されたこともある。対策は急務である。

 風疹はウイルスで起こり、せきやくしゃみなどで飛沫(ひまつ)感染する。はしかなどに比べて軽い疾患だと思われがちだが、大人は重篤化することがある。

 特に妊娠20週頃までの女性は注意が必要だ。感染すると、胎児も感染し、生まれてくる子供に難聴、心疾患、白内障などの「先天性風疹症候群」の症状が出る可能性がある。

 ワクチンを2回接種すれば99%免疫ができるが、徹底されておらず、ほぼ5年おきに局地的な流行が起きている。

 風疹とはしかの混合ワクチンが2回接種になったのは18年度だ。それ以前は、世代により風疹ワクチンが未実施のほか、1回だけや女子だけのケースがあった。

 このため、2回接種が徹底されていない30~50代の男性で抗体保有率が低い。今回も、患者はこの世代に集中している。

 風疹にかかったことがなく、母子手帳にワクチンの2回接種の記録がない人は、接種を検討してもらいたい。

 軽い疾患と侮らず、妊婦らへの影響を理解しておくべきだ。

 25年の風疹の流行では約1万4千人の患者が報告され、先天性風疹症候群の子供が45人確認された。このときは、米国のCDC(米疾病対策センター)が、妊娠20週までの妊婦に、日本への渡航を避けるよう注意喚起する事態になった。

 政府は東京五輪・パラリンピック開催年度までに風疹の「排除」を目指しているが、流行がこのまま1年以上続くと困難になる。

 訪日客の増加で新しい感染症が警戒され、水際対策が求められているとき、足元の感染症への認識が薄く、対策が不十分ではどうしようもない。

 改めて予防の重要性を周知し、万全を期したい。

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