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【主張】米国の対中制裁 孤立主義やめ包囲網築け

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 トランプ米大統領が中国による知的財産権の侵害を理由として、中国からの輸入品に新たな追加関税を課す制裁第3弾を発動すると発表した。

 対象は、従来の制裁より格段に大きい年2千億ドル(約22兆円)相当である。食料品や服飾品など米国民の暮らしに直結する品目も多い。中国への打撃のみならず、米国経済も無傷では済まされないだろう。

 第3弾の発動は米産業界でも反対する声が強かった。トランプ政権には、もっと自制的に振る舞うよう重ねて求めたい。

 貿易や投資で米中それぞれと密接につながる日本経済への悪影響も避けられまい。中国は対抗措置をとる。米国は残る輸入品すべてに追加関税を課すことも検討するといい、報復の連鎖が収束の気配すら見せないことを懸念する。

 米中の衝突は、双方の経済力と不可分である安全保障を視野に入れた覇権争いでもある。中国に対峙(たいじ)するには強硬な圧力こそが有効だという判断なのだろう。発動自体は想定されたことでもある。

 そうであっても、近く閣僚級協議が見込まれていたのである。ここでの中国の出方を見ず、24日に強行するのは乱暴だ。当初は10%の上乗せにとどめるが、どこまで着地点を見通しているのか。

 米国は世界最大の経済大国であり軍事大国だ。圧倒的な力を背景に相手国を従わせる手法は、中国と同様、対米摩擦の渦中にある日本やカナダ、欧州などの同盟国相手でも強まる危うさがある。

 一方で中国は、米国の要求を曖昧にかわすことなどできないという現実を受け入れなければならない。中国は市場経済と相いれない恣意(しい)的な国家介入や不公正な貿易慣行を続けてきた。「中国製造2025」に基づき、軍事とつながる先端技術を国産化しようと、海外の知財も不当に奪ってきた。

 これらは、米国だけでなく国際社会がこぞって批判してきた問題である。中国が反保護主義を名目に日欧と対米共闘を図ろうとするのは筋違いである。自らの覇権主義的傾向を抜本的に改めない限りは、対米摩擦は収まるまい。

 日本は欧州などと連携し、米国が孤立主義に陥ることなく対中包囲網を共に築くよう強く促すべきだ。米政権の独善に対するのと同様、中国の不当な振る舞いにも毅然(きぜん)と対処する。これは米中に続く経済大国としての責務である。

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