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【別府育郎スポーツ茶論】尊敬、憧れ…複雑な思いのこもった大坂なおみの「アイ・ラブ・ユー」

 全米オープンテニスの女子シングルスを初制覇し、感極まる大坂なおみ。右は声を掛けるセリーナ・ウィリアムズ=8日、ニューヨーク(USA TODAY・ロイター=共同)
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 テニスの全米オープンを制した大坂なおみは、決勝で憧れのセリーナ・ウィリアムズを破った直後、感想を聞かれて「少し悲しい」と答えた。

 会場に響き渡った、ブーイングに対するものではない。自らの勝利は同時に、終生のアイドルの敗北でもあったからだ。

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 1999年の全仏オープンでウィリアムズ姉妹がダブルスを制するのを見て、ハイチ出身の大坂の父は、姉妹をテニス選手にすることを思いつく。

 大阪市からニューヨークに移り住み、父の指導で姉妹はテニスを始めた。セリーナが姉のビーナスをライバルに成長したように、大坂も姉のまりに勝ちたい一心で腕を上げた。自然と憧れの的はセリーナとなる。小学3年生の時に「彼女のようになりたい」とレポートを書いた。

 全米オープンで決勝進出を決めると、セリーナへのメッセージを求められ、大坂は「アイ・ラブ・ユー」と答えてインタビュアーを吹き出させた。およそ、決戦を控えたプレーヤーの言葉ではない。

 それでも「私はコートに立つと別人になったような気持ちになる。セリーナのファンじゃない」と堂々打ち合い、勝ちきった。

 そしてセリーナにネット際で抱きしめられると「私はまた、小さなころに戻ったの」と涙を流した。表彰式では「メジャーの決勝であなたと戦うことが夢だった。プレーしてくれてありがとう」と語りかけ、セリーナは「なおみは勝者にふさわしい」と応じた。

 あまりに見事なシンデレラストーリーを見せつけられ、2人のボクサーの物語を思い出していた。

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