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【日曜に書く】忘れまい「大韓機撃墜事件」 論説顧問・斎藤勉

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 「事件は米国の特務機関が南朝鮮を使って企(たくら)んだ巧みな挑発で、その責任は米国にある」

 ◆「世界はやがて忘れる」

 米国はソ連を「悪の帝国」と呼んだレーガン大統領時代。その「共産主義の悪の本質」を凝縮したような事件だった。だが、西側陣営を別な意味で憤慨させたのは、ソ連のグロムイコ外相が事件から1週間後、マドリードでの全欧安保再検討会議でうそぶいた一言だった。

 「やがて世界は(事件のことなど)忘れ去るだろう…」

 西側を見くびった放言、というより暴言の類いだ。この背景について外交評論家の井上茂信氏は当時の本紙「正論」欄で「自由主義社会の弱点は健忘症とマゾヒズムだ」と切ってみせた。

 ただ、外務省の元高官は先頃行った講演で「このグロムイコ発言に、近年の強権・独裁国家の政治・経済行動の動機を読み取ることができる」と指摘、「それは、どんなに国際的袋だたきや制裁に遭おうが、ひとたび自国の国益を利すると判断するや、西側の虚を突いてまずはやってしまえ、と思い切った行動に出ることだ」と説明した。

 そういえば、一時は世界を騒然とさせたロシアの強引なクリミア併合や中国の西側の目を盗んでの断続的な南シナ海軍事化も、いつの間にか国際的な抗議の声は薄れ、既成事実化されてしまった感が強い。

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