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【ソウルからヨボセヨ】政府主導の賃金アップで焼き肉店に異変

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【ソウルからヨボセヨ】
政府主導の賃金アップで焼き肉店に異変

 韓国では焼き肉店で、だいたい女性従業員がカルビなどを焼いてハサミで切り分けてくれる。それが客へのサービスだから高級な店ほどそうだ。客が自分の好みで勝手に焼いたり切ったりすると叱られる。

 しかし日本からのお客さんなど接待だと、カルビらしく骨付きで食べてほしいので、筆者など、つい自分でハサミを握る。カルビとは本来、「アバラ骨」のことなのだが、従業員は食べやすいようにすぐ肉を骨からはずしてしまう。

 ところがこの夏、接待で何軒か個室の高級焼き肉店に出掛けたところ、従業員がえらく忙しげで、ついには「自分で焼いてください」といって部屋から出ていってしまった。

 いずれも親切でサービスがいい、お気に入りの店だったので「どうしたんかいな?」と聞くと、従業員が減って忙しくなったためという。

 その背景が政府による最低賃金大幅アップ。賃金上昇に音を上げた店が経費節減のため人減らしをやっているのだ。筆者が住んでいる学生街のワンルームマンションでも、夜は管理人がいなくなった。雇用拡大が公約の文在寅政権下で逆に失業が増え、革新政権らしい「弱者重視」政策が裏目に出た。理想論だけではうまくいかないのが経済である。(黒田勝弘)

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