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【正論】北朝鮮の海運関係者を摘発せよ 国連安保理専門家パネル元委員・古川勝久

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 ≪制裁違反への「抑止」効果は薄い

 国連安保理決議では、制裁対象の個人と団体に対して資産凍結、取引禁止、渡航禁止などの処罰を科すのが各国の義務である。制裁の目的は(1)法執行を通じて違反者を処罰し、高い「取引コスト」を支払わせること、そして(2)他の企業や個人が制裁違反に加担しないよう、将来の違反行為を「抑止」することでもある。

 しかし現在の「抑止」効果はあまりない。「北朝鮮と取引したら致命的な結果になる」との認識は、外国業者の間では必ずしも共有されていないようだ。

 自衛隊が瀬取りの現場を捉えるのは、あくまでも瀬取り対策の第一歩にすぎない。その後、関係国が法執行に基づいて関係者を処罰し、それを幅広く業界に告知することが重要である。

 北朝鮮との取引実態の解明も重要だ。外国船舶は、誰からどのように瀬取りを依頼されたのか。代金の受け取り方法も含めて詳細が解明できれば、北朝鮮側と外国人協力者の主要人物が把握できることが多い。そうすれば北朝鮮側のネットワークをピンポイントで摘発できる可能性がある。

 また、国連安保理は決議2375号第7項で、公海上の船舶が禁輸貨物を搭載している疑いがあれば「旗国の同意を得て公海上で船舶を検査すること」を加盟国に要請している。日本政府は関係国と協力して、瀬取り現場での船舶検査の実施を検討すべきであろう。

 ≪日本利用する密輸ネットワーク

 国連安保理の制裁対象に北朝鮮最大の海運企業「オーシャン・マリタイム・マネジメント社(OMM)」がある。その中に貨物船「グランド・カロ号」があった。しかし、この船の「所有者」として国際海事機関に公式に登録されていたのは香港企業だった。同社は北朝鮮関連貨物船「ドルフィン26号」の所有者・運航責任者でもあり、明らかに外国籍に偽装した北朝鮮船団の運営のために香港に設立されたペーパー企業だった。

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