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【ベルリン物語】金融支援が終了し活気戻るもギリシャ国民に残る亀裂

 ギリシャの議会前で行われた緊縮財政に反対するデモに参加した男性=2015年2月、アテネ(ロイター)
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 8月末、3年ぶりにギリシャのアテネを訪れた。欧州連合(EU)による金融支援終了後の状況を取材するためだ。繁華街は夏の終わりを楽しむ観光客であふれていた。同国では今年、観光客が前年比約2割増加。前回まで過去4回の出張時は財政危機で国内が混乱していただけに、活気ある光景に感慨もあった。

 とはいえ目的は国民の気持ちを聞くこと。店主が仲間を数人集めてくれるという郊外の商店を早速訪ねると、主にチプラス首相の支持者が集まっていた。首相は財政緊縮反対を掲げて3年半前に政権奪取したが、抵抗しきれず、歴代政権同様に緊縮を進めてきた。

 「ギリシャは自由になった」。支援終了をこう喜んだのは男性教師。生活は苦しいが、「チプラス氏は対策をとる。彼はウソをつかない。これからだ」と意気軒高だ。だが、この言葉に「カチン」ときた仲間がいた。「チプラスはウソばかり」。横の男性医師がそう吐き捨てると、2人は大口論に。医師は取材する間もなく去ってしまった…。

 支援を終えても国家再生の道のりは長い。不透明な世界経済の情勢はリスクだが、何より大事なのは支援の是非をめぐり亀裂の入った国民の団結だろう。来年には総選挙も控えるなか、2人の口論をみて不安を抱かざるをえなかった。(宮下日出男)

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