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【正論】秩序の混迷は米国衰退の表れか 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

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 今われわれはどのような世界秩序に身を置いているのだろうか。トランプ米大統領は隣国で同盟国でもあるカナダのトルドー首相を公然と批判したかと思ったら、米国の安全を脅かす能力を備えるに至った北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と歓談する。北大西洋条約機構(NATO)諸国の防衛努力の不足、とりわけ欧州一の経済大国で同盟国のドイツをやり玉に挙げ、防衛の公平な分担をしていないと詰(なじ)ったあとで、仇敵(きゅうてき)ともいうべきロシアのプーチン大統領と握手を交わす。民主主義国家による組織であるはずのNATO内にはトルコ、ポーランド、ハンガリーなど強権政治が出現している。

 一極時代の崩壊と中国の台頭

 戦後の国際政治で白黒のはっきりしていた時代は冷戦だろう。東と西の陣営はイデオロギーで対立し、経済体制も画然と分かれていた。冷戦が終焉(しゅうえん)した直後に米歴史学者のフランシス・フクヤマ氏は「歴史の終わり」を書いた。米国を中心とするリベラルな民主主義が共産主義に勝利したとの宣言である。同氏はあとで自説の修正を試みたが、当時の時点では正鵠(せいこく)を射ていたと言ってよかろう。

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