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【マーライオンの目】文化遺産に屋台村 植民地時代の出稼ぎ移民のまかないから発展

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 毎年恒例のシンガポール首相による施政方針演説が19日、テレビ中継された。この中で、庶民の“食卓”ホーカーセンター(屋台村)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録候補として申請することが発表された。

 現地に詳しい北九州市立大学の田村慶子教授によると、屋台村は労働者のまかない料理から発展した。英国植民地時代、中国やインドから来た出稼ぎ移民のほとんどは単身の男たちで、彼らが簡単に食事を取るため、チキンライスやフィッシュヘッド・カレーなどが定番料理となった。

 街の美化運動や衛生対策で、営業ライセンス取得義務化とともに、屋台は1970年代から集合施設に集約され、屋台村は今や100カ所以上。物価の高い現地で、数百円程度で食事を取れるので、毎日3食を屋台で済ませる家族も多い。

 だが、無形文化遺産に登録され日本食ブームを後押しする「和食」のような効果が見込めるかは不明だ。国威発揚に向けた話題作りかとも勘ぐってしまう。

 一方、リー・シェンロン首相は、休憩を挟んで約2時間の演説を国語のマレー語、公用語の中国語、英語に切り替えながら行った。父の故リー・クアンユー初代首相が掲げた民族融和の体現だ。多言語の首相演説こそ、この国の文化遺産ではないか。次の首相も継続してほしい。(吉村英輝)

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