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【主張】米のCO2緩和 日本も同列視されないか

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 トランプ米政権が二酸化炭素(CO2)の排出削減の手綱を緩める方針を打ち出した。

 同国内の石炭火力発電所などから大気中に排出されるCO2の削減目標を各州の判断に任せることなどを柱とする新たな規制案である。

 トランプ大統領は、石炭資源が豊富なウェストバージニア州で「石炭火力発電の労働者を助ける」と演説した。

 米国のCO2対策を後退させかねない、この新環境規制案は2020年の大統領選挙などを意識したものである。再選を目指すトランプ氏の支持基盤である石炭業界への秋波が透けて見える。

 米国ではCO2の排出が少ないシェールガスの増産と利用が進むため、石炭火力の規制を緩和しても総排出量は減らせるとの見通しがあるのかもしれない。

 だが、世界の発展途上国の環境改善意欲をそぎかねない政策変更だ。20年から始まる地球温暖化対策の「パリ協定」では、途上国もCO2の削減に取り組むことになっている。

 今年12月にポーランドで開かれる国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では、パリ協定の実施ルールが決められることになっている。

 石炭火力発電は、途上国にとっては燃料費の安さが捨て難い魅力であり続ける電源だ。米国の石炭火力の緩和策は、世界が一致して立ち上がったパリ協定に水を差すことが懸念される。

 COP24のホスト国・ポーランドでさえ、石炭火力が主力電源であることを忘れてはなるまい。

 米国の新規制案では、先端技術の導入で石炭火力発電の燃焼効率を向上させ、CO2の排出を削減するとしている。途上国への技術移転を急いでもらいたい。

 翻って、日本の取り組みはどうだろう。日本はパリ協定に対し、CO2に代表される温室効果ガスの排出を、30年度に13年度比で26%減らすと公約しているが、実現の可能性は遠のく一方だ。

 3・11以降、原発の運転再開は9基にとどまり、穴埋めを火力発電に頼っている。世界の目には、CO2対策の後退感という点でトランプ政権と同列に映ることは間違いない。

 パリ協定の履行を通じて日本の国際信用を維持するためにも、再生可能エネルギーの活用とともに、原発の再稼働が急がれる。

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