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【論壇時評9月号】米中が覇権争う「貿易戦争」の行方 論説委員・宇都宮尚志

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【論壇時評9月号】
米中が覇権争う「貿易戦争」の行方 論説委員・宇都宮尚志

中国・青島港に停泊するコンテナ船。米中の制裁と報復の行方は(AP) 中国・青島港に停泊するコンテナ船。米中の制裁と報復の行方は(AP)

 米中の貿易戦争が過熱している。トランプ米政権は中国の知的財産権侵害を理由に、ハイテクを中心とする中国製品に25%の関税を上乗せする制裁措置を発動。中国も同規模の措置で対抗したことで、報復の連鎖が生まれている。

 貿易戦争はどこまでエスカレートするのか。今月の論壇誌は、米中摩擦に焦点を当てた特集記事が目を引いた。

 『中央公論』は「米中貿易戦争が世界を壊す」として、宮家邦彦キヤノングローバル戦略研究所研究主幹と、安井明彦みずほ総合研究所欧米調査部長の論考を掲載した。

 宮家はトランプ政権の対中政策が戦略的な要素を含んでいるとし、「衝動的」なように見えても「トランプ氏は米中関係の基本的変化に対応した『時代の要請』に応えているのだと筆者は考える」と述べる。

 そして中国は「長期にわたる高度経済成長によるGDPの急速な伸び、増大する人民解放軍の国防費とその活動領域の拡大、米国ハイテク企業の虎の子最新技術を狙ったサイバー攻撃の急増など、今やあらゆる分野で追い付き、追い越し始めた」と、安全保障分野に及ぶ脅威を指摘。米中摩擦の本質は、中国がハイテク国家を目指して2015年に発表した「中国製造2025」により、世界覇権に挑もうとしている点にあることを強調している。

 また、今後の米中対立の行方については「『熱戦』には至らないものの、かなり長期の『冷戦』として続く可能性は高く、その場合、米中『冷戦』がいずれか一方の国力が衰えるまで長く続くことになる可能性が高い」と断じている。

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