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【一筆多論】「密室」が生む不正 厳格に扱われるべき成績で 沢辺隆雄

東京医科大学正門=7月4日午後、東京都新宿区(萩原悠久人撮影)
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 都市伝説のように語られていた医大の「裏口入学」が本当にあった。東京医科大で、汚職事件で発覚した文部科学省の前局長の息子のほか、OB子弟らの得点を加点して合格させる不正などが続いていた疑いがある。内部調査委員会(委員長・中井憲治弁護士)の報告書は「不正な得点調整は長年にわたり、いわば悪(あ)しき『伝統』のように行われていた」と指摘した。

 報告書によると、今年の入試の1次試験で前局長の息子を含む6人、昨年の入試で13人が不正に加点されていた。また2次試験で女子と3浪以上の合格者を抑制するよう実質減点する得点操作が行われていた。

 以前から合格者選定で得点操作が行われていた可能性が高いと指摘している。

 前理事長が入試委員会のメンバーだった平成8年以降について、合否判定に関わる教授会に受験生の得点が開示されず、入試委員同士で合格者を調整していた疑いがある。

 20年ごろ、週刊誌で「入試疑惑」が報じられ、教授会への素点開示のほか、大学教職員や同窓会員など関係者が入試委員会に接触や介入することを禁じるなどの措置が取られた。

 だが透明化したことで、逆に「思うように依頼を受けた受験生を合格させられない」事態が生じたというからあきれる。

 2次試験は複数の目で採点する面接や小論文なので操作しにくい。このため、1次の素点を不正加点したリストを入試委員会に提出する手法が考え出されたという。前理事長と前学長が相談し、限られた入試担当職員に指示する「密室」で行われていたとみられる。

 「同窓生の子弟を多く入学させ、寄付金を多く集めたい思いがあった」などと動機を指摘している。前理事長らが個人的に金銭謝礼を受けていた疑いもある。

 公正、透明で裏口や情実を排する。教育の場で心すべきことが無視された。

 古来、成績の扱いは厳格であるはずだ。

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