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【正論・戦後73年に思う】わが生涯の教育と文化への疑念 新潟県立大学教授・袴田茂樹

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 ≪アイデンティティーの確立を

 短時間の対話だったが、また見解が一致したわけでもないが、お互い直観的に仲間意識を持てた。それゆえ彼はコロンビア大学の人権問題センター長として、センターを訪問するよう誘ってくれた。われわれ2人で話した問題を彼の仲間たちとも共有し、もっと話し合いをしたいと思ったのだろう。

 私は英会話は下手なのだが、意思疎通の障害にはならなかった。こう述べると学をひけらかすようだが、私の到底及ばない真の教養人や思想家の凄(すご)さを知っており、戦後教育を受けた自身の貧しさは十分自覚しているつもりだ。

 米国に長年在住の日本人が、近年米国留学する日本人は英会話達者が多いが、おかげで恥をかくことが多くなった、とラジオで述べていた。ペラペラしゃべるほどその人の空っぽさがバレるからだ。2人の孫娘が、最近2年余り国外に住んで、英語がとても上達した。そのこと自体はうれしくて褒めたが、戦後教育の反省を込めて私が彼女たちに諭したのは、日本人としての言葉と文化・教養を身につけることの大切さである。自らのアイデンティティーを確立していない者が、他者を理解できるはずがないからだ。(はかまだ しげき)

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