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【正論・戦後73年に思う】米軍人との絆は日本独自の資産 元駐米大使・加藤良三

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【正論・戦後73年に思う】
米軍人との絆は日本独自の資産 元駐米大使・加藤良三

元駐米大使・加藤良三氏 元駐米大使・加藤良三氏

 「匿名への情熱」を地で行く一群

 戦後73年を経た今、日米関係において日本はトランプ政権と向き合っている。トランプ氏は多分アメリカの憲政史上例のない異形の大統領である。また、今の世界でトランプ氏批判ほど容易なことはない。

 ただ、トランプ氏は現代のアメリカが生み出したものであってその逆ではない。トランプ氏はワシントン、リンカーン、マーティン・ルーサー・キングがそうであったという意味での「リーダー」ではない。ある種の国民感情の投影である。

 筆者が初めてまともにアメリカと関わったのは1965年で、その後駐米大使を辞める2008年まで、総じてアメリカでは偉い人たちは有能で威張っておらず、配下に「匿名への情熱」(passion for anonymity)を地で行く一群のプロフェッショナルがいるものだと思った。この言葉はF・ルーズベルトからハリー・トルーマンの時代に定着したが、我欲やスタンドプレーの類いを封印し、自分よりも大事な「何か」のために黙々と本分を尽くして仕事をする精神というべきものだろう。

 そしてこれが「大統領補佐官」や「国家安全保障局」の設置につながる。この精神の持ち主を重用するリーダー層には率先して納税、兵役の義務を果たし、損得抜きで国益に貢献することを責務だと考える「高貴な精神」(ノブレス・オブリージュ)があった。

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