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【石平のChina Watch】トランプ政権が発動した貿易戦争が狙う「中国潰し」

米中貿易摩擦などをきっかけに、苦しい立場に追い込まれている中国の習近平国家主席=7月26日、南アフリカ・ヨハネスブルク(ロイター)
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 現在展開中の米中貿易戦争の背景には、米国が長年抱えている対中貿易の莫大(ばくだい)な赤字がある。2017年、米国の中国からの輸入総額は4297億ドルであるが、中国に対する輸出総額は1539億ドル。簡単に計算すれば、昨年において米国の対中貿易赤字は2758億ドル(約30兆5千億円)に達している。

 米国の赤字はそのまま中国にとっての貿易黒字。この巨額の対米貿易黒字を含めて、4225億ドルに上る対外貿易の黒字は中国の経済・政治・外交にとって実に大変重要な意味を持つものである。

 中国の稼いだ貿易黒字は当然、中国の持つ外貨、すなわち外貨準備高になる。2018年6月末、中国は世界一の3兆1129億ドルの外貨準備高を持っているが、それは中国経済だけでなく、中国の国民生活、産業発展、そして政治と外交の多方面にとっての「虎の子」なのである。

 中国は今や食糧輸入大国となっていて、2017年には海外から1億3062万トンの食糧を輸入している。国民1人当たりで約100キロの食糧を輸入しているから、食糧の対外依存度が非常に高いことがよくわかる。

 中国は石油輸入大国にもなっている。2017年、中国の石油輸入量は4億1957万トン、日本のそれの倍以上となっている。

 中国は自国の製造業を支えるのに、毎年海外からは、付加価値の高いハイテクの技術・製品を大量に輸入しなければならない。中国製のラジオ、テレビ、通信機、コンピューターなど、あらゆる電子機器は、その心臓部分の集積回路が海外からの輸入に頼っている。そのために中国は、昨年、海外から3770億枚もの集積回路を輸入している。こうしたハイテク技術・製品の輸入無しでは中国の製造業が成り立たない。

 このようにして、国民生活に直結する食糧の輸入から経済と産業全体を支える石油の輸入やハイテク技術・製品の輸入まで、中国は今や世界有数の輸入大国になっているが、大量の輸入を支えるためには豊富な外貨準備高を持たなければならない。そのために毎年のように莫大な貿易黒字を稼がなければならない。そしてその中で、中国の対米貿易黒字は、貿易黒字全体の6割以上も占めている。

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