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【正論】出現した中国の「新植民地主義」 文化人類学者静岡大学教授・楊海英

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 第1は自らに従属する現地政府を擁護しながら内政干渉する。第2は経済援助を盾に多国間の権力構造を作り、軍事同盟と基地提供、ひいては軍隊派遣を通して弱小国を抑圧する-というものだ。

 58年も前の警戒心は実に先見の明を有していた、と高く評価しなければならない。というのも、習近平体制が進める「一帯一路」構想はまさにその「予言」にぴったりと合致しているからだ。アフリカ諸国の最大の貿易相手国となった中国の狙いは、資源と「天然の同盟軍」を獲得するところにある、と習氏は公言している。大規模投資や多額の借款で相手国を負債に追い込み、そして港湾と要衝を軍事基地として永年借用する。

 インド洋に面したパキスタンのグワダル港をはじめ、スリランカのコロンボ港とハンバントタ港、そしてアフリカのジブチなどは既に「成功例」とされている。

 「中国流新植民地主義」には旧来の植民地開拓と異なる特徴がある。それは、現地の政治体制に対し、人権や民主、投資運用の透明化など、うるさいことを一切、言わない点だ。巨大な工場や港湾を整備しても、働いているのは中国国内から連れていかれた労働者たちだ。労働者たちの僅かな給料を搾り取ろうとしてやってきた性産業従事者もまた中国人だ。

 こうして北京は「中国のアフリカ」を経営しているが、内政には干渉していないと宣言ができる。現地の独裁政府も地元の雇用につながっていない点に多少不満があっても、裏から大金が入るので、ほどよく解消されている。

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