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【日曜に書く】スマホは「神経寄生生物」か 論説委員・長辻象平

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 ハリガネムシは、コオロギに作用する神経化学物質を作り出し、コオロギの脳に働きかけて操り人形のように動かしていたことが突き止められた。

 昨年、出版された『心を操る寄生生物』(キャスリン・マコーリフ著、インターシフト)には、ハリガネムシの例をはじめ、小さな寄生生物が大きな宿主の行動をマインドコントロールよろしく指示している多くの具体例が紹介されている。

 神経寄生生物学という全く新しい研究領域が、30年ほど前に学界の無理解を克服しつつ開拓され、現在に至るまでの歩みも解説されている。

 この新たな研究分野の出現が生物学に与えたインパクトは大きかった。捕食者と被捕食者の関係の多くに、寄生生物が介在しているというのだから。

 これまで付属物のような存在として扱われてきた寄生生物こそが、実は陰の支配者だったのだ。自分の子孫繁栄のために、宿主を操作して捕食者の餌食になるように行動させ、次の宿主に乗り換えることもある。

 寄生生物はしたたか者だ。下等な存在のふりをして、生物界のダイナミズムを舞台の裏側で支配していたのだ。

 ◆スマホとハリガネムシ

 神経寄生生物学の視点で観察すると画面から目を離すことなく歩き続ける人間は、悲しいコオロギと二重写しの存在になってくる。

 スマホは非生物だが、細胞に取りつくウイルスも非生物だ。『心を操る寄生生物』によるとウイルスも人間の性格や行動を変える力を持っているという。

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