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【正論】最悪の米WTO離脱に備えよ 東洋大学教授・竹中平蔵

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 これは、大統領周辺の人材が、グローバリストから選挙参謀型の人脈へと大きくシフトしていることとも関係している。その点で今回アメリカが、中国や欧州連合(EU)などの対米報復措置を捉えてWTOに提訴した点が注目される。アメリカが完全に満足するような結論が下されるとは考え難いが、そうすればトランプ氏にとって、アメリカがWTOを離脱する絶好のエクスキューズになりうる。周知のようにトランプ氏は、大統領選挙の最中からWTO不要論に近い発言を繰り返している。

 日本としては、最悪の事態も念頭に入れ、自由貿易を促進する努力を積み重ねるしかない。その点で、アメリカ抜きの環太平洋戦略的経済連携協定(TPP11)をまとめ、日EU経済連携協定に漕(こ)ぎ着けた努力は、自由貿易の防波堤構築として高く評価される。

 今後、日米2国間不均衡の8割を占める自動車の分野で何が起こるか、注視すべきことは言うまでもない。今回の問題は単なる貿易戦争を超え、大国の威信を懸けたハイテク覇権の争いである。アメリカのWTO離脱といった最悪シナリオも想定して、十分な対応が必要である。(たけなか へいぞう)

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