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【中江有里の直球&曲球】西日本豪雨、個人の情報発信で観光客呼び戻しを

 レモンなどのかんきつ類の畑が被害を受けた生口島の中野地区=7月23日、広島県尾道市
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 出演映画のロケのため、広島県尾道市を訪れたのは7月6日だった。前日から大雨の予報で、移動が心配だったが、飛行機は時間通り広島空港へと飛んだ。しかし着いてみると空港と市内をつなぐ高速道路は通行不可。一般道を使って尾道市に入った。

 その後雨は激しくなって、スマートフォンから防災警報が鳴りっぱなし。私の広島行きを知る家族や友人から心配するメールも続々届いた。

 実際、周辺の道路が次々に通行できなくなり、列車は運休、多くの店舗は臨時休業。尾道市は断水状態にもなった。私自身は無事で、撮影隊も予定を変更しながら仕事を続けていた。

 それから3週間、再び尾道に降り立った。現地スタッフによると断水は10日ほどで解消され、高速も通行できるようになっていた。撮影が終わってから、市街地と千光寺公園を結ぶ千光寺山ロープウェイに乗った。上昇すると景色がどんどん変わり、目の前には美しい瀬戸内海。つかの間の空中散歩を楽しんだ。

 尾道はすでに日常を取り戻したな、と思っていたら、撮影に協力してくれている現地の飲食店経営者に言われた。

 「尾道に遊びに来てほしいと、多くの人に伝えてくれませんか」

 尾道は坂と寺が多く、ロケ地としても有名で人気が高い。尾道にとっては、観光も重要な産業のひとつだ。断水の際、宿泊施設は予約客を断らざるを得なかったが、その後も観光客が例年より少ないという。

 報道されるのはどうしても被害の大きかった場所が中心になる。一方、被害が小さかった、元に戻りつつある地域の情報は伝わりにくい。被災されている人々がいる中で「こっちは無事」だとは、なかなか言いにくいだろう。

 観光客の呼び戻しには、行政の支援策だけではなく、一人一人の情報発信が必要ではないかと思う。今は個人でも情報発信できる時代だから、現地の人や訪れた観光客が積極的に、地域の実情を伝えることも役立つだろう。

 訪ねる側と迎える側が喜び合える復興の早い実現を願っている。

                   

【プロフィル】中江有里(なかえ・ゆり) 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー、多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。

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