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【北京春秋】周恩来は「売国奴」? 銅像に残された古傷にドキリ

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 かつての満州国の西の外れ、ロシア(ソ連)との国境に満州里という名の寒村があった。

 1935年、邦字紙に「この町でただ一つ日本人経営カフェーのネオンが『ギンザ』とうら悲しい文字を闇の中に凍らしている」と描かれた満州里も、今ではビルが立ち並ぶ中国最大規模の国境都市である。

 先日訪れたときは気温27度、汗ばむ陽気だった。真冬の厳しさをうかがわせるものは、市内で見つけた「暴風雪レストラン」という店名ぐらいである。

 こんな街にも朝鮮戦争(50~53年)の影響が及んでいた。

 駅広場に周恩来元首相の像が建っている。開戦後、兵器などを積んだ支援列車がソ連から北朝鮮へ向けて満州里を通過していった。周氏はその運行安全に多大な貢献をしたのだという。

 像の台座に記された「周恩来」の隣に、古くないキズを見つけた。いくつかの漢字が故意に刻み込まれている。ドキリとした。「美国的狗」(米国の犬)とあった。

 米中国交正常化に向け、72年に初訪中したニクソン米大統領(当時)と周氏が空港で固い握手を交わしたシーンは有名だ。

 米中貿易戦争との関連は分からない。ただ、中国の国力増強とともに、「人民の総理」と慕われたあの周氏も無傷ではいられない、偏狭な愛国主義のうねりを感じた。(藤本欣也)

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