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【主張】最低賃金引き上げ 着実な実施で意欲高めよ

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 今年度の最低賃金の引き上げ額の目安を、全国平均で1時間あたり26円と過去最大の上げ幅とすることで決着した。

 3年連続で3%増の引き上げを確保し、全国平均の最低時給は874円となる見通しだ。

 賃上げは働く意欲を高めるだけでなく、個人消費にも刺激を与える。

 とくに最近では人手不足が深刻化しており、パートやアルバイトなどの時給も大きく上昇している。今回の最低賃金の引き上げも着実な実施が欠かせない。

 ただ、地方の零細企業などではここ数年の大幅な引き上げが影響し、経営が厳しくなっている企業も増えているという。

 こうした企業が収益力を高め、安定的に賃金を払える環境づくりも求められる。そのためにも政府は、企業の生産性向上を後押ししなければならない。

 外国人を含めて働く人すべてに適用される最低賃金は、厚生労働省の審議会が地域別の目安額を決める。それをもとに都道府県の審議会が具体的な上げ額を決定する仕組みだ。このまま引き上げられれば、第2次安倍晋三政権の発足以来、最低賃金の上げ幅は合計で120円を超える。

 すでに東京や神奈川では最低賃金の水準が高く、目安通りに上がった場合、最低時給は980円台に上昇する。政府は「最低時給1千円」を目標としており、その実現に向けて大きく近づくことになる。全国の引き上げも着実に進めなければならない。

 経団連がまとめた今春闘の賃上げ率は、2・5%と20年ぶりの高水準で最終決着した。好業績を背景に大手企業が賃金に充てる配分を増やしたのが大きな要因だが、人手不足感が強まり、優秀な人材確保のために賃上げに踏み切る必要にも迫られている。

 こうした賃上げの動きを中小・零細企業に広げるため、まずは最低賃金の引き上げが欠かせない。とくに日本の場合、標準的な賃金に比べた最低賃金の割合は4割程度にすぎない。さらなる引き上げを通じて非正規社員らに対する処遇改善につなげたい。

 中小企業をめぐる取引状況の監視も重要である。大手による不当な値引き要求や適正な価格転嫁を認めないなど、「下請けいじめ」の排除が不可欠だ。そうした取り組みで中小・零細企業の収益環境の底上げも図りたい。

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