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【日曜に書く】発生2週間で訪れる被災者の変化…阪神大震災下の連載から 論説委員・河村直哉

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 ◆時間の経過とともに

 被災地でのさまざまな精神状態を安さんは書きとめた。生き残ったことへの罪悪感。同じ体験をした人でなければわからないだろうけれど、それでもわかってほしいという被災者の思い。多岐にわたる報告の中で変わらないのは、共感しながら被災者の話に耳を傾け、回復を願う安さんの姿である。

 時間の経過とともに被災者の精神状態が変化しているという指摘を、今、参考にしたい。

 大震災後しばらくは、躁(そう)的な状態が多かったと安さんは書いている。早口、大声で被災状況を語る人。当面は必要ないものまであちこち駆け回って買い集め、忠告した息子に「大きな余震が来たらどないするんや!」と食ってかかる人。

 こうしたケースに共通するものとして、安さんは2つの点を挙げている。不安が気分を高揚させていること、危機を乗り切ろうとする強いエネルギーが放出されていること、である。

 「かなりの人たちが最初の一、二週間は躁的だった。…非常事態をのりきるためには、“お祭り”のような高揚感が必要なのだろう」

 大震災から約1カ月後の2月18日付の原稿でそのように分析しつつ、こう書いた。

 「長い祭りに、私たちはそろそろ疲れはじめている」

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