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【主張】米露首脳会談 世界を危うくする接近だ

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 トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領と会談し、「最悪だった米露関係は変わった」と胸を張った。

 だが、今回の会談の結果を歓迎することはできない。むしろ、世界を危うくする接近というべきである。

 ロシアは自国の利益のために国際秩序を平気で乱す。その行動を押さえ込もうとしないトランプ氏は甘すぎる。

 自由と民主主義、法の支配を尊重してきた米国のリーダーとして、トランプ氏には、力による現状変更や不法行為を許さないという断固たる姿勢を、ロシアに示してもらいたかった。

 ロシアは、ウクライナのクリミア半島を武力で併合し、サイバー攻撃で米欧への選挙干渉を繰り返している。シリアではアサド政権の庇護(ひご)者として振る舞っている。英国での神経剤による元ロシア情報部員らの暗殺未遂事件はロシアの関与が批判されている。

 プーチン政権は国際社会から非難されても、制裁を科せられても態度を改めない。関係を改善できる理由は見当たらない。

 2016年の米大統領選について、米情報機関はロシアのサイバー攻撃を通じた干渉があったと断定している。これに関わったロシア軍の情報当局者12人が、首脳会談直前に米特別検察官によって起訴されたばかりだ。

 だが、トランプ氏は会談後の会見で「プーチン氏は強く、説得力を持って否定した」「ロシアが干渉する理由が見つからない」などと述べ、ロシアの肩を持った。

 コーツ米国家情報長官は米露会談後に出した声明で、ロシアの干渉は「明白だ」と表明した。

 米大統領が公の場で、自国の情報機関を信頼しない言動をとる。極めて異様な光景だ。これで、世界に関する情報がうまくトランプ氏に伝わるのだろうか。

 会談で米露は核問題の協議開始で一致した。プーチン氏は、新戦略兵器削減条約(新START)延長や中距離核戦力(INF)全廃条約のあり方を議題にする考えを示した。ロシアが優位に立つ小型核の軍縮を取り上げないとしたら話にならない。

 トランプ氏は、エネルギーをロシアに依存するドイツを「ロシアの捕虜」と言い放った。トランプ氏自身が、強権国家ロシアの指導者の虜(とりこ)になっているのであれば、事態は極めて深刻である。

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