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【主張】邦人に実刑判決 偽りの関係改善は不要だ

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 中国でスパイ行為をしたとして拘束されていた日本人男性2人に対し、中国の中級人民法院(地裁)が相次いで実刑判決を言い渡した。

 これらに対し、菅義偉官房長官は、政府として邦人保護の立場から支援していくと述べた。

 だが、これには「改善基調にある日中関係に大きな影響を与えることのないように」という条件が付いているようだ。強い違和感を覚える。

 他にも複数の日本人が拘束されている。一連の事件の詳細を政府は説明していないが、釈放や帰国についてさえ明確に要求することなく、どうやって邦人保護に努めるのだろうか。

 習近平政権は治安維持を目的とする「反スパイ法」「反テロ法」などを立て続けに設け、日本人を含む外国人を次々に拘束している。条文の解釈や運用の基準は明確とは言いがたい。

 中国流の「法の支配」に対し、政府は国民を守るためその都度、声を上げなければならない。

 判決後、菅氏は「司法プロセスが継続しており、コメントは控えたい」としている。事柄がスパイ行為の有無をめぐるものであれば、政府として詳細を公表しにくい面もあるだろう。

 だが日本人が実刑判決を受ける事態に至り、口ごもっているのでは国民の理解は得られない。

 ましてや日中関係改善の流れを定着させることが優先され、自国民保護が二の次では、真の関係改善とは程遠い。

 国際社会に対し、国民を守り抜く姿勢を明確に示すことが極めて重要である。

 これまで日中間のハイレベルの接触の際に、どれだけこの問題をはっきりと提起してきたのか、という疑問も残る。

 安倍晋三首相は5月に来日した李克強首相との会談で、自らの年内訪中について合意した。

 訪中すれば、習近平国家主席との会談が行われる。その場で日本人拘束問題の決着を図れるよう、強く働きかけてもらいたい。

 現実の国家間では、情報収集などをめぐるせめぎ合いがある。「日本はスパイ活動とは無縁」といった説明を繰り返しているだけでは、情報流出を阻止し、国家への不当な干渉を排除することはできない。

 自国民の保護のため、あらゆる手立てを講じるべきである。

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