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【正論】水災害を国土強靱化につなげよ 帝京大学名誉教授・志方俊之

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【正論】
水災害を国土強靱化につなげよ 帝京大学名誉教授・志方俊之

 ≪自治体は「空振り」を恐れるな

 自治体における予算の推移をみると、社会保障関係費は漸増の傾向にある。教育費や産業経済費は何とか横ばいだが、気になるのは、国土・保全開発費の低減が続いていることである。いわゆる「ハコモノ」を悪者にする政治的風土があったからではないのか。国がつくるものと、自治体がつくるものが同一視され、政治的に利用される傾向があった。

 国土強靱化基本法の方針には、国および社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、公共施設にかかわる被害を最小化し、緊急性の高い場合には国が中核的な役割を果たすことなどが示されている。

 自治体は「空振り」を恐れず避難情報を発令しなければならない。ダムの緊急放流のような緊急時の判断は「善」をとるか「悪」をとるかではない。「悪」をとるか「最悪」をとるかの判断なのである。

 経験したことのない豪雨災害ではあったが、気象庁の特別警報発令、警察・消防・自衛隊の緊急出動と現場での迅速な協力、自治体間の支援員派遣、政府としてのプッシュ型の支援指示が行われたことは一つの前進であったと思われる。(しかた としゆき)

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