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【正論】トランプ氏の同盟政策を憂う 防衛大学校教授・神谷万丈

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【正論】
トランプ氏の同盟政策を憂う 防衛大学校教授・神谷万丈

神谷万丈・防衛大教授 神谷万丈・防衛大教授

 「プランB」の準備を怠るな

 従来米国は、自らをアジア太平洋の一員と規定してきた。朝鮮半島を含め、東アジアの諸問題は自らの地域の問題として認識されてきたはずだった。だが、トランプ氏の言葉は東アジアは米国から遠い、米国の属さない地域だという認識の表れのように聞こえる。そのような大統領の下で、アジアにおける米国の同盟が、日米同盟も含めてどのように取り扱われることになるのかが心配でならない。

 日本ではこれまで、トランプ氏の日本やアジアに対する姿勢は欧州への姿勢よりははるかにまともだという楽観が存在してきた。確かに「NATO(北大西洋条約機構)はNAFTA(北米自由貿易協定)と同じくらい悪い」とか、「EU(欧州連合)は、米国につけ込んでわれわれの貯金箱を襲うために作られたものだ」とかいった、欧州の同盟諸国に対する発言には常軌を逸したところがある。彼はそのようなことを日本やアジアの同盟国には言っていない。

 しかし、最近のトランプ氏の言動は、欧州は大変だがアジアや日米同盟は大丈夫という考え方があやしくなっていることを示してはいないか。日本も、北東アジアの構造変動に対処できるよう日米同盟の強化を図る一方で、米国の日米同盟に対する政策が激変した場合に備えた「プランB」の外交・安全保障戦略をも準備しておく必要があるのではないか。(防衛大学校教授・神谷万丈 かみや またけ)

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