PR

ニュース コラム

【正論】航空会社服従させる中国の強圧 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英

Messenger

 ≪「化外の地」とみていた漢人

 清は1684年から台湾府として台湾を統治してきたが、清末の名臣、李鴻章は「下関条約」を締結した際、台湾を「化外の地」だとして日本に割譲した。李鴻章は大清帝国の「ホームランド」たる満洲や、新しく占領した東トルキスタン(新疆)の防衛には熱心だったが、台湾には無関心だった。これは彼のような漢人エリート官僚が、台湾人を「清国の臣民」「中華の一員」としてみていなかった事実を雄弁に物語っている。

 日本が植民地の統治を放棄したのに連れ、蒋介石総統が率いた国民党の敗残兵も1949年に台湾に乗り込んできたが、それは武装した華僑の登場だといっていい。

 だからといって、華僑の国が建立されたとは国際法的にも根拠が乏しい。中国大陸から配偶者として2000年以降、台湾に移住した人は30万人を超える。しかし、台湾の政治大学の研究者は、東南アジア諸国から結婚や介護の目的で台湾に渡ってきて住み着いた人々は既に70万人に達する、と発表している。諸民族の中の漢民族の「血」は確実に薄くなっており、「血縁的」にも「中華文明圏」から遠ざかっている。

 ≪国際社会は威嚇に強い姿勢示せ

 「国家とは何か」という近代の難問を胸中に収めて、作家の司馬遼太郎はかつて台湾を一周し、最後に李登輝元総統と対談した(司馬遼太郎『台湾紀行』)。

 「朝五時になったら牛乳受けに牛乳が入っている。いちいち牛を飼って乳を搾ることもなく、牛乳配達をする人が途中でゲリラに殺されることなく、安全に届けられる。朝に新聞が無事に入り、世界中の情報を読める、これが文明だと思う」と司馬さんは平和な台湾を高く評価している。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ