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【オリンピズム】嘉納治五郎と幻の東京大会(15)日本文化との融合はかなわず

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 杉村陽太郎とともに、ムソリーニと直談判するなど、東京大会招致に奔走した副島が大会返上に関わるとは、皮肉な結果だった。大会返上は直ちにIOC会長のラツールやスイス・ローザンヌのIOC本部に打電され、ラツールからは「残念だが、時宜を得た放棄だ」との談話が伝えられたという。

 クーベルタンは晩年、最後の手記に「東京での開催はアジアの国々を近代のオリンピズムで結ぶのみならず、古代ヨーロッパの最も高貴な文明であるヘレニズムが、アジアの洗練された文化・芸術と交じり合うことこそ大事」と記した。オリンピズムも時代とともに変化すると考えていたクーベルタンは、その糸口を日本の文化に求めていたのかもしれない。嘉納もまた東京招致にあたり、欧米だけの五輪ではなく、世界のオリンピック・ムーブメントにすべく働きかけた。本来あるべき五輪像を教育家、柔道家として主張したのだが、その実現はかなわなかった。=敬称略(監修 真田久筑波大教授 構成 金子昌世)

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