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【正論】保管された9条「怪文書」の謎 駒沢大学名誉教授・西修

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 当該X文書には、戦争放棄条項を定めたマッカーサー・ノート第2原則に、以下の文言をかっこ書きで加えよ、と記されていた(この考えは、最初に当時の幣原首相から最高司令官に提起され、司令官は直ちにこれに心から支持を与えた)。

 ≪マッカーサーに相談した?

 要するに、戦争放棄条項は幣原首相の発案によることを明記することが、掲載の条件だったのである。X文書には日付も署名も記されていなかった。『日本の政治的再編成』のどこにもかっこ書きがない。まさに改竄文書である。

 なぜこのようなかっこ書きが必要だったのか。それは、日本の憲法に戦争放棄条項を押しつけたGHQの責任が米国本土や国際社会で問われるかもしれないことを恐れたからである。村田記者は、このかっこ書きはマッカーサーとの相談のうえ加えられたのではないかと推測している(読売新聞、76年6月4日)。

 それからすでに68年が経過している。私は先ごろ外交史料館を訪れたら、X文書がまったく関係のない「皇室典範に関する交渉の経緯」という資料の末尾に1枚だけ挟み込まれていた。「帝国憲法改正関係資料集」第1巻には、この資料を含む多くの文書が収められており、すべて「目次」が付されている。X文書は、「目次」には記載されていない「非公文書」である。

 いったいX文書は、いつ、だれが、どんな経緯で、なぜ外交史料館に保管されるようになったのか、不明のままだ。もちろん、記録として、新聞などを参考に残しておくことは有益である。ただその際、日付が付され、保管する理由が第三者に理解されるように整理されるのが通常である。

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