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【正論】『終わった人』をいかに減らすか 高齢者が働きやすい環境づくりを 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

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 ≪『終わった人』をいかに減らすか

 ここで重要なのは、就業者数の中には雇用者数のみならず、自営業や家族従業者も含まれるということである。高齢になって会社を離れるとき、仕事を続けるかどうかで迷う人は多いだろう。そういう人には、なるべく自営業という形で、マイペースで働いてもらってはどうだろうか。

 退職後に自分で会社を設立し、技能や人脈を生かして長く働こうとする人は筆者の周囲でも多い。ところが実際に話を聞いてみると、事務手続きが煩雑であるとか、社会保険への加入が義務付けられているといった不満を聞く。いよいよ会社を手じまいするときに廃業手続きが面倒だともいう。

 個人事業主を選べばその点は楽になるが、社会的な信用では劣るし、社員を雇うことも簡単ではない。経費の幅も狭くなるし、所得税や住民税の税率はもちろん法人税よりも高くなる。

 ここは工夫の余地があるのではないだろうか。あと数年で仕事を辞める予定の人を、無理やり厚生年金に入れる必要はないだろう。あるいは悠々自適になる予定を変更して稼いでいる分の税金は、少しくらい軽減しても良いのではないか。フリーランスで働くシルバー層を支援する、使い勝手のいい制度を考えたいものである。

 仕事一筋で過ごしてきた会社員が、定年になると同時に『終わった人』になるという映画が評判になっている。そういう人を減らしていくことも、立派な成長戦略のひとつになると思うのである。(よしざき たつひこ)

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