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【正論】新元号は天皇ご即位後に発表を 国士舘大学特任教授・日本大学名誉教授・百地章

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 ≪事前公表は法的にも疑問が残る

 元号法によれば「元号は、皇位の継承があった場合に限り改める」(2項)とされている。条文を素直に読めば「皇位の継承があった場合」つまり「ご即位後の改元」を想定したものであることは間違いない。旧皇室典範では「践祚〔即位〕ノ後」とあり、元号の制定は即位後であることが明記されていた。

 歴史的にも、第50代の桓武天皇以降、即位に伴う改元(代始改元)は、「平成」に至るまで70回あったが、いずれも即位後に行われており、即位前に改元された例など一度も存在しない(神社本庁総合研究部長心得・浅山雅司氏の研究報告による)。

 これは、当然だろう。改元は国の安泰と国民の平安を願って続けられてきたものであり、特に「代始改元」は、天皇が即位後、新たな時代の理想と願いを込めて行われたものだからだ。

 この伝統を尊重するならば、現行憲法下では、天皇のご即位後に「ご聴許」を得た上で内閣が新元号を正式に決定、それを新天皇が「公布」(政令へのご署名・押印)し、その上で国民に発表するのが最も自然であろう。

 この点、正式決定前に公表してしまうのは疑問だし、御代替わりの1カ月前に閣議決定と天皇の「公布」を行い、新元号を発表、5月1日を「施行日」とする案も、今上陛下の下での改元となってしまうから、支持できない。

 また、1カ月前に行うのは閣議決定と新元号の公表にとどめ、「公布」および「施行」を5月1日に先延ばしする場合も、閣議決定前に新天皇の「ご聴許」を得ることはできない上、元号の「決定」から「公布」まで1カ月もかかってしまうから、これも賛成できない。

 ちなみに、平成29年1月から本年6月までに制定された514本の政令は、ほとんど7日以内に公布されている。これを見ても、閣議決定から1カ月も経過した後に「公布」することなど、考えにくいであろう。従って、元号の事前公表については、法的にもさまざまな疑問が残る。

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