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【正論】中国が画策する北「非核化交渉」 平和安全保障研究所理事長・西原正

平和・安全保障研究所の西原正・理事長
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 去る6月12日にシンガポールで開催された米朝首脳会談は、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が非核化への意欲を見せた一大政治ショーであった。長年敵対してきた両国の首脳が顔を合わせたという点では確かに歴史的出来事であった。しかし肝心の非核化の成果は説明されず期待外れであった。また北朝鮮の交渉姿勢の後ろには中国の画策がうかがえる。それが今後、深刻な問題を起こしそうである。

 ≪トランプ氏を立腹させた妨害

 会談後に発表された共同声明は極めて短く、非核化の行程も期限も記されていなかった。共同声明は「板門店宣言にのっとって、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けて取りくむ」とあるだけであった。会談後の記者発表で、記者からこの点を突かれたトランプ氏は「時間がなかったからだ」と答えたが、実際のところ、実務協議では非核化の実施をめぐって相当の対立があったようだ。非核化の具体的な方法を共同声明に入れることを要求した米国側に対して、北朝鮮側は、米朝首脳会談がつぶれても構わないほどの勢いで反対したという。

 争点の一つは、米国の早期の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」要求に対して、北朝鮮(および韓国と中国)は「段階的非核化」を主張していたことである。習近平国家主席は3月と5月の金正恩氏との会談で、核の段階的非核化とそれに応じた制裁解除を米側に要求するように説いたようだ。6月の北京訪問でも同様でトランプ氏は習近平氏の妨害に相当、立腹していると報じられた。

 もう一つの争点は、米国が「北朝鮮の非核化」と表現したのに対し、北朝鮮(および韓国、中国)は、「朝鮮半島の非核化」という表現を使ったことである。この相違による米朝対立はまだ顕在化していないが、深刻になりそうだ。

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