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【論壇時評】7月号 終わらない「トランプ劇場」 貿易戦争から北の非核化まで 論説委員・井伊重之

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 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)やパリ協定からの離脱など、オバマ政権が進めた政策を次々に覆してきたトランプ大統領は、予定調和を許さないシナリオなきドラマを次々と繰り広げる。その姿勢は米国内の熱狂的な支援者を惹(ひ)きつけてやまないが、そこには大きな副作用が潜むことも忘れてはならないだろう。

 今月の論壇誌は世紀の米朝首脳会談を控え、その歴史的な意義や今後の世界情勢などを展望する特集が目立った。「悲願の米朝首脳会談へ、北朝鮮の長い道のり」(中央公論)で宮本悟聖学院大教授は、非核化や体制保証をめぐる米朝双方の認識の違いを指摘する。

 共同声明では「朝鮮半島の非核化」を目指す方針が盛り込まれたが、これは北朝鮮が主張してきたもので、北朝鮮だけでなく、韓国にも米軍核兵器の排除を求めるもの。そして在韓米軍の撤退を宣言すれば、北朝鮮もそれに見合った行動を取るという姿勢だ。

 宮本は「6者会合の時代から中国やロシアは朝鮮半島の非核化を支持してきた。北朝鮮は今後、この朝鮮半島の非核化に対して国際的な支持を求めていくだろう」と予想する。金委員長の相次ぐ訪中もこの延長線上にあると見るべきだ。

 宮本は、北朝鮮が求める「体制保証」は西側諸国が使用する「国家安全保障」の意味合いに近いと分析する。北朝鮮が核兵器の開発に着手したのは、冷戦終結で旧ソ連の核の傘を失ったからだ。宮本は「日本では北朝鮮が政権維持のために核兵器を開発しているとの誤解がある」というが、安全保障に根ざす核保有であれば、北朝鮮の核放棄はさらに困難を極めることになる。

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