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【正論】「協働」で支え合う地震対策を 帝京大学名誉教授・志方俊之

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 気象庁は千葉県東方沖の地下で岩板がずれ動く「スロースリップ」現象が起きていると警戒していたが、6月14日に勝浦市を中心に早朝から夕刻までにマグニチュード(M)2・7~4・1の数回の地震があった。

 その3日後の17日午後には、群馬県渋川市を中心に地震(M4・7)が発生。翌18日には、大阪北部で高槻・枚方・茨木・箕面市を中心にM6・1の地震が起きた。

 専門家はこれらの地震の間に直接的な因果関係は少ないとしているが、一般市民からは大規模な地震が起きる予兆ではないかと心配する声もあがっている。

 ≪ブロック塀や家具倒壊は要警戒

 今回の大阪北部地震で気象庁がその後の警戒を呼びかけたのは、同じく活断層の密集地帯で起きた熊本地震(2016年4月)で、M6・5の「前震」があった28時間後に、M7・3の「本震」が起きたからである。

 大阪北部地震はM6・1(阪神大震災M7・3、東日本大震災9・0)ではあったが、都市災害対策に関して、見落とせない多くの教訓を示した。

 登校時の女子児童と登校時の小学生を見守る高齢のボランティアが倒れてきたブロック塀で犠牲となったほか、家具の下敷きで3人が死亡した。

 ブロック塀や家具の倒壊による危険は、過去の地震で何回も指摘されてきたものである。防災ハンドブックには必ず記載されている。それらの対策が講じられていないことが問題なのだ。

 高齢化社会、それも1人暮らしの高齢者が多くなった最近の都市社会では、現行の建築基準法(1981年施行、最新改正2014年)以前に建てられた家屋を、たとえ自治体からの補助があっても、耐震化補強することは困難な場合が多い。

 ブロック塀の問題についていえば、移り住んできた住人が、設計・施工時に塀が基準通りに作られたものかどうか、確かめることは難しい。また年月がたてば劣化もあり得る。今回の高槻市立寿栄小学校の塀倒壊のように、自治体自身が気付かず、しかも通学路の一部に指定していたことをみれば、個人住宅や賃貸住宅ではなおさら難しいだろう。

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