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【宮家邦彦のWorld Watch】「1953年体制」終わりの始まり

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 米朝首脳会談から1週間過ぎた。今も内外では同会談の意義につき侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が続く。果たして米朝の新たな動きは東アジアにさらなる安定をもたらすか、逆にその安定を揺るがすのか。今回のテーマは1953年体制だ。

 米朝首脳会談の評価は良くても功罪相半ばだ。ボクシングに例えれば、第1ラウンドは北朝鮮の粘り勝ち。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は非核化で譲歩せず、国際的認知と体制の保証を得たのだから当然だ。だが、第2ラウンド以降は未知数。朝鮮半島の非核化につき楽観論者は「北朝鮮も理解している」と胸を張るが、その定義や手法につき米朝間に合意はない。鳴り物入りの首脳会談だったが、どうやらトランプ氏は「交渉」よりも「興行」の達人らしい。

 短期的結果も重要だが、同時に米朝首脳会談が持つ中長期的意義を過小評価すべきではない。ここで筆者が注目するのは65年前の朝鮮戦争休戦協定だ。朝鮮国連軍、朝鮮人民軍、中国義勇軍の司令官が署名したこの合意は朝鮮半島分断を固定化しつつも、そこで生まれた安定が日本の戦後復興、韓国の漢江の奇跡、中国の改革開放を可能にした。筆者が1953年体制と呼ぶこの安定の枠組みは、今日までこの地域の平和と安定を支えてきたのである。

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