産経ニュース

【正論】東アジア「激変」に日本は備えを 東京国際大学教授・村井友秀

ニュース コラム

記事詳細

更新

【正論】
東アジア「激変」に日本は備えを 東京国際大学教授・村井友秀

村井友秀・東京国際大学教授 村井友秀・東京国際大学教授

 体制保証と非核化は不可能

 今後の日本の安全保障を考えるとき、ポイントは朝鮮半島の動向である。

 米朝会談で合意した北朝鮮の体制保証と非核化とは何か。

 北朝鮮が核兵器を隠匿することは極めて容易であり、仮に現存する核兵器が全廃されても材料と知識があれば何時でも再生産できる。核兵器をつくる材料と知識を北朝鮮から消し去ることは不可能である。北朝鮮は核兵器を放棄しない。核兵器がない北朝鮮は経済が破綻した貧しい小国にすぎず、世界が無視するだろう。

 また、米国が北朝鮮を攻撃しないと約束しても、北朝鮮の現政府が存続できる保証にはならない。歴史を見ると、飢餓状態にある国民に反政府運動をする余裕はないが、飢餓状態を脱すれば国民の不満は政府に向かう。経済支援により飢える心配がなくなれば、金正恩政権に対する反政府運動が活発になる可能性がある。

 他方、外敵がなくなれば独裁政権を支える暴力装置である100万人の軍や警察を維持する口実もなくなる。米国は北朝鮮の反政府運動を鎮圧し、独裁政権を守るのか。金正恩政権の最大の脅威は米国ではなく北朝鮮の国民である。

 北朝鮮が米国との交渉の前提としていた核抑止はどうなったのか。北朝鮮の大陸間弾道弾はまだ実験段階であり、北朝鮮に米国のミサイル防衛システムを突破して米国本土を核攻撃する能力はない。北朝鮮に米軍の攻撃を抑止する能力はない。ではなぜ北朝鮮は核開発をやめると言ったのか。

続きを読む

「ニュース」のランキング