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【正論】北が狙う「非核化プロセス」の罠 福井県立大学教授・島田洋一

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【正論】
北が狙う「非核化プロセス」の罠 福井県立大学教授・島田洋一

島田洋一・福井県立大学教授 島田洋一・福井県立大学教授

 見せかけの措置にだまされるな

 ヘッカー氏は、核弾頭の安全な解体は製造した技術者にしかできない(従って全ての解体には相当な時間がかかる)とも指摘するが、仮にそうだとしても、それら技術者ともどもまず海外に移してから作業すれば、「朝鮮半島の非核化」自体は速やかに実現する。

 要するに、最大の焦点は、非核化プロセスが脅威の根幹を成す部分から順に除去していく正統な形を取るか否かである。すなわち、まず核爆弾とミサイル中核部品の海外搬出、次いで核施設の無力化といった順に進められねばならない。

 ところが逆に、核実験場やミサイル・エンジン燃焼試験場の閉鎖といったいつでも再開・再建できる周辺的措置で見返りを得つつ、核爆弾、ミサイルそのものはあくまで温存するというのが北の狙う「非核化プロセス」である。

 今、トランプ政権は、国務省主導で過去に何度もはまった罠(わな)に再びはまろうとしているかに見える。北の思惑通り制裁が緩和されていくなら、拉致問題解決もその分遠のく。今後、急ピッチで進められるという米朝実務者協議に、日本政府は明確な意思表示で影響を与えていかねばならない。(福井県立大学教授・島田洋一 しまだ よういち)

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