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【主張】合同演習の「中止」 米政権に翻意働きかけを

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【主張】
合同演習の「中止」 米政権に翻意働きかけを

 日米韓の外相・国務長官がソウルで会談し、米朝首脳会談の共同声明で北朝鮮が表明した「完全な非核化」の実現に向け、緊密に連携していくことを確認した。

 核開発中止の約束を破り続けてきた北朝鮮が相手である。日米韓の連携が言葉だけであってはならないし、綻(ほころ)びがあればつけこまれる。

 トランプ米大統領が金正恩朝鮮労働党委員長に融和的姿勢を示したことに対し、日韓両国には懸念も生じている。これを解消することが重要である。

 ポンペオ米国務長官が河野太郎外相、韓国の康京和外相との会談後の会見で、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を追求する方針を明言した点は評価できる。米朝の共同声明に明記されなかった点である。

 対北制裁について、完全な非核化の実現後に初めて解除することや、非核化作業への「徹底的な検証作業」の必要性にも言及した。発言通りに進めてもらいたい。

 大きな支障となりかねないのは、トランプ氏が米朝会談後の会見で、対北交渉中の米韓合同軍事演習の中止を唐突に表明したことである。北朝鮮に対する軍事的圧力が弱まれば、完全な非核化の作業にも悪影響を及ぼすからだ。

 さっそく、8月恒例の米韓合同指揮所演習が課題となった。だが、トランプ政権がこれまで在韓米軍や戦略爆撃機、空母打撃群を動員した大規模演習を重ね、対北圧力に効果を上げてきたことを忘れてはなるまい。

 また、在韓米軍の存在は朝鮮半島に加え、日本の安全保障にも大きな役割を担っている。米韓演習は、その即応力や抑止力を維持するために欠かせないものだ。

 米韓演習に関し、康外相は「米韓の軍当局間で協議すべき問題」と指摘し、河野外相は「中止は北朝鮮の行動次第」と語った。いかにも歯切れが悪い。日韓両政府はトランプ政権に対し、演習中止の判断は適切ではないことを強く訴える必要がある。

 朝鮮中央通信は米朝会談について、「段階別、同時行動の原則」を守ることが重要との認識で一致したと報じた。

 だが、北朝鮮の真の非核化が果たされるまで、米韓演習を中止すべき決定的な理由などない。北朝鮮がいう「段階的な非核化」への見返りは有害だ。

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