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【石平のChina Watch】時代逆行の「井岡山革命研修」 「紅色」一色に中国を染め上げる習近平政権は、穏やかな文明国家に背を向けるつもりらしい

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【石平のChina Watch】
時代逆行の「井岡山革命研修」 「紅色」一色に中国を染め上げる習近平政権は、穏やかな文明国家に背を向けるつもりらしい

約10年前の井岡山。すでに「毛沢東ブーム」の始まりが見えていた=2007年、中国・江西省(矢板明夫撮影) 約10年前の井岡山。すでに「毛沢東ブーム」の始まりが見えていた=2007年、中国・江西省(矢板明夫撮影)

 このように今の中国では、小学校・中学校の教員・生徒から民間企業の経営者や幹部までが、一度、井岡山へ行って革命研修や革命教育を受けないと済まないような状況となっている。

 その中では、例えば飲食業企業の社長たちが井岡山の「革命精神」を企業経営の理念にするなどという、まるでブラックジョークのような話も出ている。

 つまり、習近平政権は明らかに、「井岡山」が象徴しているような、90年前の共産党武力革命の思想と50年前の紅衛兵運動の精神を持って、中国の学校教育から企業経営までの各分野を、まさに「紅色」の一色に染めていく考えである。

 そんなことは、時代への逆行以外の何物でもない。

 これでは今後の中国が、世界が期待するような、穏やかな文明国家になるのとまったく違った方向へ向かっていることは確実である。

 武力革命と紅衛兵の精神が蘇(よみがえ)ってくるこの国に、われわれはどう対処していくべきなのだろうか。

                   ◇

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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