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【風を読む】「北対処」…本来は日本の役割 論説副委員長・榊原智

 安倍首相(左)との会談に臨むトランプ米大統領=7日、ワシントンのホワイトハウス(共同)
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 米朝首脳会談がきょう開催される。北朝鮮の核・ミサイルの脅威を取り除き、日本人拉致被害者全員の解放に道を開く会談になってほしい。トランプ米大統領に日本の政府や国民が期待するのは当然だ。

 トランプ氏を後押ししている安倍晋三首相の外交は現実的であり、極めて正しい。

 そう断った上で、あえて問いたい。

 日本人は、トランプ氏が金正恩朝鮮労働党委員長と会談することに少しの疑問も持たないのか、トランプ氏の言動に気を揉(も)む自分たちを情けないと思わないのか、という話である。

 今の日本のありさま、能力ではできないし、すべきでもないが、日本の首相が北朝鮮の指導者と直談判するのが、本来あるべき姿ではなかったか。

 日本は人口1億2700万、経済の規模は世界第3位で科学技術の水準も高い。自由と民主主義、国際法を尊重し、控えめに言っても世界で信頼されている。アジアで唯一、先進7カ国(G7)の一員である。

 東アジアの安全保障を担う国であってもおかしくない。ただし、そうであっても、防衛と公正な世界の秩序を保つために双務性を明確にした上で日米同盟は必ず堅持すべきである。

 日本が安全保障と国民の人権を本当の意味で重んじ、国際社会の平和と繁栄に対する責任感を持っていれば、専守防衛といった憲法9条に基づく偽善はとうに改めていたはずだ。

 偽善を排した日本であれば、同盟国と協力しながら、北朝鮮が核武装に至る前から主体的に動いて、阻めたかもしれない。拉致問題も同様である。

 そうならなかったのは、敗戦を経た戦後の日本人が、無責任で意気地がなかったからであろう。万一の場合に戦う態勢も覚悟も整えない人任せの日本は懲罰的抑止力を示せない。力しか理解しない北朝鮮に対して、日本の呼びかけは、日米同盟なしでは通じないのが現状だ。

 弱肉強食の時代を必死に生き抜いた明治の日本人が、子孫である私たちを見たら言葉を失うだろう。

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