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【正論】「演出」だけが先行する米朝協議 国連安保理専門家パネル元委員・古川勝久

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 ≪「直感」で非核化に対応できるか

 長年にわたる宿敵の韓国は、その大統領が今や金委員長のために一生懸命尽くす「調整役」だ。年配の文在寅大統領をおおらかな笑顔で抱擁する金氏の姿は、韓国を弟分として従える北朝鮮のイメージすら、うっすらと醸し出す。

 北朝鮮交渉団に近い関係筋によると、5月24日に崔善姫外務次官が会談中止の可能性に言及した際、北朝鮮側は本気で会談中止を選択肢として織り込んでいた様子だったという。同21日にマイク・ペンス副大統領がテレビ・インタビューで、リビア内戦で殺害されたカダフィ大佐と金委員長が同じ命運をたどる可能性があると指摘したことは、北朝鮮側にとって許しがたい発言だったようだ。

 会談中止を先に申し入れたのはトランプ政権だったが、これも北朝鮮側からすれば悪い話ではなかった。国際的に孤立するのは「非核化」交渉の機会を打ち砕いた米国であり、北朝鮮は国際社会から同情される。事実、トランプ大統領の会談中止の決定を支持したのは日本政府だけだった。北朝鮮がおとなしくしている限り、友好諸国の態度はますます緩くなり、着実に「制裁の骨抜き」を図ることができる。

 トランプ氏には、北朝鮮の対米核攻撃能力保有を許した最初の大統領にはなりたくない、との思いが間違いなく強い。加えて今秋の中間選挙までに北朝鮮問題の解決を導いて「偉業」達成の得点を稼ごうとの動機も強い。ロシア疑惑などを抱える大統領には、北朝鮮を得点稼ぎの対象ととらえている節が色濃くにじみ出ている。

 「強いアメリカ」の復権を目指すトランプ政権は、超大国化する中国に対して、貿易や南シナ海、台湾問題などあらゆる方面で対抗すべく圧力を強めている。貿易赤字を米国の安全保障上の問題と位置づけ、同盟国や友好国との貿易戦争さえいとわない。

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