PR

ニュース コラム

【正論】「演出」だけが先行する米朝協議 国連安保理専門家パネル元委員・古川勝久

国連安全保障理事会・専門家パネル元委員の古川勝久氏
Messenger

 ≪ようやく本格化した対北交渉

 米朝首脳会談が6月12日にシンガポールで開催されることが決まった。その議題をめぐる米朝実務レベル協議に、かつて対北朝鮮交渉の責務を担っていたソン・キム大使が米側交渉団の代表として参加した。現在、フィリピン大使の同氏は赴任先から急遽(きゅうきょ)、北朝鮮との交渉のためソウルに呼び出されたようだ。

 首脳会談開催予定日の約2週間前になって、ようやく本格的な対北交渉経験者が米側交渉団に参加したわけだ。トランプ政権内では北朝鮮政策を担当する関連組織で北朝鮮と渡り合った経験を有する唯一の人物である。トランプ政権の対北朝鮮折衝にやっと一筋の光が差し込んできたともいえる。いまさら感は否めないが-。

 首脳会談に向けて大きく揺れ動いた米朝関係は、まさにトランプ大統領が得意とする「リアリティー・ショー」を見せつけたかのようだった。ただ、「ショー」を演出したのは金正恩朝鮮労働党委員長も同じである。彼の視点に立つと別の世界が見えてくる。

 つい半年前は国際的に孤立していた北朝鮮。なのに今や中国・大連の海岸を習近平国家主席と一緒に散策したり、来週にはトランプ大統領と会談を行い、年内にはロシアのプーチン大統領とも首脳会談を実施する予定だという。

 金政権の成功と、その正統性を北朝鮮国民に決定的に印象付ける上でこれほど歴史的チャンスは他にない。金委員長がトランプ大統領と会いたがる理由は制裁解除だけではなかろう。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ