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【正論】日米再強化へ自主的対応怠るな 元駐米大使・加藤良三

元駐米大使 加藤良三氏
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 冷戦終了の頃、欧米中心に「平和の配当」(peace dividend)という言葉がはやった。もはや大戦争は起こりえないから大国は軍事費を削減し、それを経済発展、国際協調などに回すことができるという議論だった。

 西側はガードが下がりすぎた

 かつて本欄で触れた椎名素夫氏は、そのような議論に懐疑的だった。「冷戦」が「熱戦」にならずに済んだことをもって「平和の配当」は既に支払い済みだと思った方がいい、勝った西側が負けた東側の遅れた経済を背負いこむだけでも大きな負担だし、軍事費削減で西側がガードを過早に下げると漁夫の利を得る国が出てくるのではないか、という意見だった。

 その後、9・11に代表されるテロとの戦い、中国の台頭などがあって、今日、平和の配当論は行方知れずの印象である。

 ただ、西側の中核である北大西洋条約機構(NATO)加盟国が軒並み国防費を削減したことは、現在の中東情勢の混迷に有形無形につながっているところ大だと思う。シリア、イラン、サウジアラビア、イラク、イスラエル、トルコ、クルド、パレスチナ-いろいろ聞こえてくるのだが、NATOが昔日のようであったら、状況は違っていたのではないか。

 いずれにしても、日本の場合はそもそも防衛費が低くガードを下げる余地がなかったうえ、東アジアの情勢の困難さが増した故にわが身に及ぶ被害を何とか僅少に済ましてきた面がある。

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