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【日曜に書く】「バイオ未来キッズ」の元気 論説委員・長辻象平

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 面白いのは、この後だ。児童各人に古典的な顕微鏡を手作りさせるのだ。

 人類が微生物の存在を知ったのは1670年代。オランダのレーウェンフックが単レンズの顕微鏡(倍率270倍)を作製したことで単細胞生物や細菌の存在が明らかになったのだ。

 金属板とネジで構成された当時の顕微鏡は複雑な形だが、東京工業大学名誉教授の永井和夫さんが工夫を重ね、シンプルな形で再現してのけた。

 小さな穴を開けた2枚のテレホンカードの間に直径2ミリのビーズ球を挟み、粘着テープで貼り合わせるだけでよい。

 このカード式顕微鏡の倍率はオリジナルと同等なので、糸や髪の毛の細部が見える。レーウェンフックが味わった感動と驚きの追体験だ。

生命科学の入門書出版

 バイオ未来キッズの活動の特徴は、目には見えない微生物の世界を、科学教育の導入部にしている点にある。

 3月末に出版した『生物学はいかに創られたか』(1200円+税)も、その趣旨に沿った生命科学の入門書。信州大学と中部大学で教授を務めた柴井博四郎さんが執筆し、味の素出身の今井孝夫さんが挿絵を担当したハードカバーの上製本だ。

 内容は、古代ギリシャのアリストテレスが生命の自然発生説を唱えていたことの紹介などから説き起こす構成だ。アリストテレスの認識は非科学的に映るだろうが、当時の博物学的知見に基づく厳密な検証から導かれた結論だったのだ。

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