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【正論】戦争は文民統制で止められない 東京国際大学教授・村井友秀

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【正論】
戦争は文民統制で止められない 東京国際大学教授・村井友秀

東京国際大学教授の村井友秀氏(寺河内美奈撮影) 東京国際大学教授の村井友秀氏(寺河内美奈撮影)

 インドは民主主義国家であり選挙と野党が存在する。政府が世論に反して行動すれば選挙に負けて政権を失うことになる。ネルー首相はインドの政治を支配していたが、政権を維持するためには国民感情を無視することはできなかった。強硬路線を主張する世論に押されてネルー首相の発言は変化し、「国家には我慢のできないことがある。インドは不名誉な行動よりも玉砕の道を選ぶだろう」と議会で演説するようになった。

 対中強硬政策に対するインド軍の態度は消極的であった。国境地帯で中国軍と対峙(たいじ)している前線の軍司令官は、十分な準備もなく行動することを要求する政治的決定に抵抗した。インド軍西部地区司令官は「軍事的に見て中国軍よりも不利な状況にある」と政府に報告したが、「政府の命令の遂行を怠る司令官は解任し、軍法会議に付される」ことになった。

 結局、文民統制は守られ軍人の警告は却下された。伝統的に軍人不信であったインドの政治家は十分な軍事知識を持たず、軍人の意見を無視する傾向があり、非合理的な軍事政策をとったのである。

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