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【国語逍遥(97)】映る・写る 「動かぬ証拠」はどっち? 清湖口敏

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【国語逍遥(97)】
映る・写る 「動かぬ証拠」はどっち? 清湖口敏

防犯カメラ。事件捜査に役立つほか、犯罪抑止への効果も期待される 防犯カメラ。事件捜査に役立つほか、犯罪抑止への効果も期待される

 防犯カメラの映像が犯人逮捕の決め手となった事件は数え切れない。その種の事件を報道する際に朝日、毎日、読売、日経の各紙は「防犯カメラに映った(人物)」などと書くが、全国紙では唯一、産経だけが「写った」と書いている。

 各社の記者ハンドブックでも、毎日、読売、日経は「防犯カメラに映る」などの用例を載せ、産経は「防犯カメラ・ビデオに写る」と明記している。産経以外は「再生」に視点を置いているのかもしれない。

 防犯カメラが撮影した映像は記憶媒体に記録され、警察は記録された映像をモニター画面に再生して照合や解析を進める。再生される映像は、再生機器によって鮮明度も異なろうし、電源を切れば即時に消える。はたしてそんな映像が犯人特定への「動かぬ証拠」となり得るのだろうか。

 真に証拠能力をもつ映像とは、防犯カメラのレンズで捕らえられ、記憶媒体にしかと残された、決して消えることのない像なのではないか。そしてそうだとするなら、再生して見るものだとしても、写真フィルムに画像を写すのと同じように「防犯カメラ(ビデオ)に写った」と書くのがよいのではないかと思う。

 映る、写る。さて正しいのはどっち…いや、ここでも正誤を問うのは適切ではない。読者諸氏ならどちらの字を使われるだろうか。

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