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【正論】「総裁候補」に求められる器量 文芸評論家・小川榮太郎

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【正論】
「総裁候補」に求められる器量 文芸評論家・小川榮太郎

文芸評論家の小川榮太郎氏(飯田英男撮影) 文芸評論家の小川榮太郎氏(飯田英男撮影)

 ≪具体的なヴィジョンを示せるか

 もし必要であるならば、それはなぜなのか。安倍政治をどう改めることが国益にかなふから、総裁選に名乗り出るのか。中国包囲網を敷きながら自由経済を主導し、アメリカと対立してでも多国間自由貿易の枠組みを維持する安倍外交の腰の強さを継ぐ意思はあるのか、中国寄りに切り替へるのか。拉致問題の解決を優先し、北朝鮮への国際圧力路線を強く主導する安倍外交を継承するのか。安倍首相が強く主張してゐる憲法9条改正の国民投票実現の路線を継承するのか、しないのか-。

 個々の項目に明確な方針が必要なだけではなく、「国力を取り戻しながら戦後レジームから脱却し、日本の国柄を守る」といふ安倍政治のヴィジョンに対し、候補者らは具体的な方針を示せるのだらうか。

 政局や支持率をにらんで出馬をほのめかしたり引つ込めたりするのでなく、自分自身のヴィジョンを鮮明に打ち出した上で、「今」が本当に総裁選に挑むべきならば負けても挑む。しかし「今」は安倍政治を支へるべきときであるなら、槍(やり)が降らうが、それを支へるべきではないか。

 結局、さういふ「人としての器量」にこそ人心は収攬(しゅうらん)する。これはきれいごとではない。自民党史のやうな短い歴史を振り返つてさへ、権力の暗闘の奥に、さうした道理が働いてきたのは明らかだと私には思はれる。(おがわ えいたろう)

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