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【正論】猛烈な圧力こそ北を譲歩させる 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

外交評論家・杏林大学客員教授の田久保忠衛氏 
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 少々ややこしい言い方だが、「外相陸奥宗光が『鶏林八道の危機方に旦夕に迫り』と書いたその前から、朝鮮は列国の狩場のようになっていた」と戦前の自由主義者だった清沢洌は述べている(『日本外交史』上巻)。

 朝鮮半島に関わりを持つ国々の首脳会談や、電話によるやり取りの頻度はただ事とは思えない。とりわけ、北朝鮮の金正恩委員長が電撃的に中国を再訪問し、習近平国家主席と会った5月8日に、トランプ米大統領は欧米など6カ国とイランが結んだ核合意から離脱すると発表した。翌9日には東京で安倍晋三首相、中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領が日中韓サミットを行い、同時にポンペオ米国務長官が平壌を訪れた。たった数日間で発生した4つの出来事はみな連動している。

 ≪米の姿勢は駆け引きではない

 「日中韓3国首脳、北朝鮮の非核化で連携」が各紙の見出しになった。が、「対北国連制裁措置を緩和すべきかどうか」と書いたリトマス試験紙を投げたときに3国はどのような反応を示すだろうか。緩和の時期、規模などの条件によって反応は異なるだろうが、反対の日本、賛成の中国、建前は反対だが本音は賛成の韓国に三分されるだろうと思う。日米同盟は揺るがず、中朝同盟はわずか1~2カ月間でにわかに関係強化が図られ、対立が露(あら)わになっている。

 金委員長の中国・大連行きは、日中韓サミットを翌日に、また米朝首脳会談を前にして中朝間の団結を誇示する狙いがあったとの説を目にしたが、果たしてそうだったか。米朝が何を話し合っているかは知る由もないが、トランプ政権の核を含む大量破壊兵器などに対する強硬姿勢は「ディール」が意味する「駆け引き」どころではなかろう。猛烈な圧力が北朝鮮側に加えられていると考えられる。

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